フレンチプレスの使い方|誰でも簡単にコク深い一杯を淹れる方法

コーヒー好きの間で根強い人気を誇る「フレンチプレス」。ペーパーフィルターを使わない抽出方法ゆえに、コーヒーの油分までしっかりと抽出され、コクのある深い味わいを楽しめるのが最大の魅力です。本記事では、初心者でも失敗しにくいフレンチプレスの使い方を、ポイントやイラスト、テーブルデータを交えてわかりやすく解説します。


フレンチプレスとは何か

フレンチプレスは、浸漬式と呼ばれる抽出方法の一種です。ガラスやステンレスの容器にコーヒー粉とお湯を入れ、数分間浸して抽出。最後にフィルター付きのプランジャーをゆっくり押し下げ、粉を分離することでコーヒー液を取り出します。

  • ペーパーフィルターを通さないため、コーヒーオイルなどの成分がダイレクトに抽出される
  • コクや風味がストレートに出やすく、まろやかな口当たり

ただし、微粉が多少入りやすい点があり、粉の挽き目や抽出時間の調整が味を左右します。


フレンチプレスのメリットとデメリット

メリットデメリット
油分を含んだコク深い味わいを楽しめる粉の微粒子が残り、舌触りにざらつきが出る場合がある
細かい抽出テクニックが不要で簡単抽出時間をしっかり守らないと雑味が出やすい
誰でも再現性の高い仕上がりが可能ガラス製の場合、衝撃に弱い点に注意
フィルター交換の手間がかからない

フレンチプレスは浸漬式ゆえに抽出がとてもシンプル。コーヒー粉を入れてお湯をそそぎ、一定時間待つだけで安定した味を出しやすいのが特長です。一方で、粉のざらつきや雑味を「個性的な味わい」と見るか、「ネガティブな要素」と捉えるかは好みにもよります。

イラスト1(横幅400~600px推奨)|フレンチプレス本体の構造図

  • 内容: ガラス容器、プランジャー、フィルター部分などパーツごとに分解し解説
  • 目的: 初心者にもどの部分がどんな役割を持っているか視覚的に伝える

フレンチプレスで淹れる基本手順

フレンチプレスは「簡単」といわれながらも、抑えるべきポイントを意識するとグッと美味しさが増します。ここでは、誰でもできる基本手順を解説します。

1. 豆を挽く

  • 挽き目: 粗挽き(ザラメや岩塩程度)
  • 理由: 微粉が少なくなり、雑味が出にくい
  • コツ: 電動ミルなら粒度調整を粗めに設定する

2. お湯を準備

  • 温度: 90~95℃が目安
  • 量: コーヒー粉とお湯の比率はおおむね1:15~1:17(粉1gに対してお湯15~17ml)
  • ※濃さの好みや豆の種類に合わせて調整可能

3. 粉をセットし、お湯をそそぐ

  • 最初に粉全体が湿るように少量を注ぎ、30秒ほど蒸らす
  • その後、規定量までお湯を注ぎ、軽くかき混ぜて粉を全体になじませる

4. 待つ(抽出)

  • 時間: 4分前後が一般的(3分半~5分など好みに合わせて調節)
  • 抽出が進むにつれて浮かんできた粉が表面を覆う

5. プランジャーを押し下げる

  • 時間が経ったら、プランジャーをゆっくりと押し下げる
  • カップやサーバーへ注いで完成

イラスト2(横幅400~600px推奨)|フレンチプレスの抽出プロセス

  • 内容: 粉を入れる→お湯を注ぐ→蒸らす→プランジャーを下げる流れを4コマ形式で示す
  • 目的: 手順を視覚的にわかりやすく整理し、初心者が真似しやすくする

抽出データ一覧

下表は1杯分の目安です。人数に合わせて粉とお湯の量を比例的に増やせばOKです。

粉の量(g)お湯の量(ml)抽出時間挽き目
10150約4分粗挽き(ザラメ状)
12180約4分粗挽き(ザラメ状)
15225約4分粗挽き(ザラメ状)

※あくまで目安であり、豆の焙煎度や抽出後の好みにより調整してみてください。


失敗しないためのコツ

粉の挽き具合をチェック

フレンチプレスに細挽きの粉を使うと、抽出時に微粉が多くなり、舌触りが悪くなりやすいです。粗挽きにすることで、雑味を抑えつつ、コクや甘みを感じやすくなります。

温度管理も大切

沸騰直後のお湯は100℃前後。90~95℃にするには、いったん火を止めて30秒~1分置いてから注ぐなどして温度を調整します。

プランジャーはゆっくり押す

プランジャーを勢いよく下げると、粉が舞い上がって微粉がカップに混ざりやすくなります。ゆっくり下げると、表面から粉が押し下げられていき、最後まで澄んだ味わいを保ちやすくなります。

イラスト3(横幅400~600px推奨)|コツと注意点まとめイラスト

  • 内容: 「挽き目は粗め」「お湯の温度は少し冷ます」「プランジャーはゆっくり」の3項目をアイコン化
  • 目的: フレンチプレスで失敗しやすいポイントをビジュアル化して注意喚起

まとめ|誰でも楽しめるフレンチプレス

フレンチプレスは、手軽なのに本格的なコーヒーのコクと香りを楽しめる抽出器具です。フィルターに油分が吸着されない分、ダイレクトな味わいを楽しみたい方にぴったり。

  • 挽き目: 粗挽き
  • 抽出時間: 3~5分(目安4分)
  • プランジャーをゆっくり押し下げる

初心者でも安定した味が出しやすいため、一度コツを覚えれば日常使いしやすいでしょう。ぜひ、さまざまな豆や焙煎度で試してみて、フレンチプレスならではの“コク深い一杯”を味わってみてください。


参考文献

  • 一般社団法人全日本コーヒー協会

    公式サイト

  • 日本スペシャルティコーヒー協会

    公式サイト

  • 『The World Atlas of Coffee』 (James Hoffmann 著)

(専門家レビューおよびリライト済)

written by

編集部

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